眠れぬ夜は君のせい
「とにかく今は自分のことに手がいっぱいなので、ごめんなさい」

「……そう。

萌波さんは、ずいぶんと勉強熱心なんだね。

お父さんの会社を継ぐために頑張ってるの?」

「ええ、はい」

会社を継ぐと言えば、継ぐつもりだ。

そのために大学へ行っているようなものだから。

「だから頑張らないといけないのか。

何だかちょっと寂しいな。

勉強のために恋愛を犠牲にするなんて。

恋愛もある意味、学生としての勉強だよ?」

そう言った衛藤さんに、私はぎこちなく笑うだけだった。
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