渇いた詩
突然、背中から伝わる温もりに鼓動が早くなる。



「綺麗だろ?俺この一面に広がる桜が好きなんだよね」


久弥があたしの耳元で話かけるから心がくすぐる。


桜が好き、って……。


久弥の言った“桜”は桜の木であって、断じてあたしではないんだからっ!!!


「あっ、もちろん桜ちゃんのことも好きだよ?」



顔を赤くしたあたしを見て久弥はからかうようってきた。
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