渇いた詩
「あの~……お食事運んできたんですが……」


いつからいたのか部屋の入り口には先ほど店前で会った着物の女性がいた。


久弥は動じることもなく、「あっ、運んでください」と能天気に答えた。


「ちょっと……いい加減離してよっ!!!」


「だって桜、抱き心地が良いんだもん」


もんって!!


可愛こぶんないでよ!!


ヤバい、久弥が可愛く思える。


一般的に見たらかっこいいんだけど甘えてる姿は可愛い。


「でもこのままじゃ食べれないしな」


久弥はあたしから離れてテーブルについた。


突然離れた温もりを寂しく思う。
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