渇いた詩
久弥はあたしをまっすぐ見つめていた。


昨日会ったばかりなのに、


久弥にはあたしの心の奥底が見えてるんじゃないかと思ってしまう。


妙な沈黙に耐えきれなくて、あたしは鞄から煙草を取り出した。


「煙草、いい?」


「ダメ」


えっ?ダメ?


てっきり「いいよ」と言われると思っていたあたしは驚いた。


「俺ね、禁煙派なの」


「……意外」


言っちゃ悪いが久弥は見た目的に喫煙者のイメージがあった。
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