渇いた詩
告白
「このあと、どうしよっか……。桜、明日用事とかある?」


明日は土曜日。


特にすることもないけど、借りてきたDVDを見ようかなってくらい。


「とくにない、けど……」


「じゃあ俺の部屋でいい?飲もう。仕事で旨いワインもらったんだ」


「うん……」



あたしだって子どもじゃない。


このまま久弥の部屋に行って飲んで終わるだけだなんて思ってない。



恥ずかしくてあたし窓を見つめ、窓に反射して映る久弥の顔をただただ見つめた。



車は赤信号によって止まった。


「桜……」


ふいに久弥に名前を呼ばれ久弥の方に顔を向ける。
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