渇いた詩
「お母さん、何だって?」


「……特に、」


既成事実作っちゃいなさい、だなんて言える訳がない。



久弥は満足そうに笑って車を走らせた。



「着いたよ」



駐車場に着いてまず驚いたのがズラリと並ぶ高級車の数々。


展示場みたいな光景に言葉を失った。



そのためここの駐車場は24時間警備員さんが管理しているらしい。


しかもそれは駐車場だけじゃない。


マンションの前にも恐顔の警備員さんがふたり。


オートロックを開けて暗証番号と指紋認証、さらにはまた暗証番号と……。



ここのマンションには金銀財宝でも隠されてるのか?と思うくらい頑丈な造りだ。
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