渇いた詩
驚くのはセキュリティだけじゃない。


一流ホテルのような内装のマンション。


なんでマンションに絵画や銅像が置いてあるんだよ。



久弥と一緒に乗ったエレベーターはやっぱり広くて綺麗。


エレベーターはどんどん上を目指し、着いた先は最上階だった。



「桜、こっち」


「あぁ……うん」


呆然になっていたあたしは先に歩いていた久弥の元に向かった。



「どうぞ」


「おじゃまします」


久弥の家に入ると広い玄関にはいくつかの靴が無造作に置かれていた。



「桜、そこ右曲がったとこに洗面所があるから……」


洗面所?


「えっ!?いきなり!?」


そりゃあ心の準備もしていたけど、もう少しムードってものがあるでしょ!?
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