渇いた詩

「サクは昔から男友達が多かったからな。新しい友達だろ？」


確かにあたしは女友達よりも男友達の方が圧倒的に多かったけど！！！


今、それを言わなくても！！！



「やだ、お父さん！！海藤さんはサクの友達じゃなくて恋人よ。こ、い、び、と！！」



ちょっとお母さん！！！



何、直球に爆弾落としてるの！？



お父さんは案の定驚いている。



「はい、桜さんとお付き合いさせて頂いてます」



「そうだったんですか……これは失礼。ほら、サク！！海藤さんにビールを持ってきなさい」


「いえ、今日は車で来ましたので……」


「そうだよ。飲ませないでよ」



お父さんが久弥にお酒を勧めようとしたけど飲酒運転をさせるわけにはいかない。



「じゃあ、今晩は家に泊まればいいじゃない」



そのやり取りを見ていたお母さんがなんとも変なことを言ったものだからあたしと久弥は一瞬固まった。