渇いた詩
初デート
そんなことあったなんて……。



「ごめん、全く覚えてない……」



「だろうな。俺はずっと桜のこと想ってたのに、酷いな」


「ごめんってば!!」


しょうがないじゃん!!!


4年前なんて言ったらまだ仕事も駆け出して毎日忙しかったんだから。



「でも、じゃあなんであたしの居場所知ってたのに会いに来なかったの?」



「普通に会いに行っても桜は俺のこと好きにはならないだろ?」


うっ……、確かに。


あの夜があって、無理やり連れ回されたりして、そうした中であたしは久弥に惹かれていった。



久弥はあたしのおでこに軽くキスをした。



「それに……俺は欲しいものは何でも手に入れるからね」



「すごい自信家」




でも、そういうとこも好き。


悔しいから言わないけど。
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