渇いた詩
終業間際に久弥からメールが届いた。


【会社前で待ってる】


【あと10分ほどで行けるから待ってて】


【わかった】



そんなメールのやり取りをしてあたしは急いで仕事を片付けた。



「ごめん!!遅くなって!!!」


「いいよ、お疲れさま」


久弥の車に乗るとタバコの匂いがした。


「久弥、タバコ吸ってないんじゃなかったっけ?」


「あぁ、さっきまでソウ……うちのギタリスト乗せててさ。そいつのタバコの匂い」


ソウって確かこの前久弥から借りたジャージに「スター★久弥」って書いた人だ。



「あいつ、自分が吸うくせに俺に禁煙させてんだぜ?」


「酷くない!?」と言ってるけど、久弥の顔を見るとその、ソウと言う人を久弥が信頼してるのは一目瞭然だ。
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