魔王様はボク
「いや、その、かなり年上だったんだなと思って。」
かなりしどろもどろになってしまった。
そのせいか、フェイがキョトンとした顔を浮かべた。
「レオンは何歳?」
「17…。」
ぴっちぴちの女子高生だよ!
なんて思えるのはボクだけであって、フェイは少々驚いていた。
「そんなに年下だったんだねぇ。魔族は寿命は長いし成長は遅いけど、レオンは早く成長したのかなぁ。」
多分、とボクは言っておいた。
もしボクが魔族なら寿命はどうなってるんだろう。
伸びてるのかそのままなのか。
伸びてたら多分、しばらくはこの姿なのかな。
「で、話を戻すけどねぇ。サポーターは、自分と一緒に出場した特級魔族が魔王様になれたときに、その側近になれるんだぁ。それからサポーターは自分が望む土地を魔王様から貰えるんだよぉ。僕は側近の地位より後者の土地の方が欲しいんだよねぇ。」
なるほど、土地ね。
戦国武将とかもそんなかんじだったよね、確か。
土地ってやっぱり、どの世界でも通用するものらしいね。
「なんで土地が欲しいの?」
ボクは思わず聞いてしまった。
だって、フェイは日本史で習ったような人達のようには見えない。
何か理由があるのかなと思ったんだ。
フェイはへにゃりと笑った。
「実はねぇ、僕の実家がある村の土地が欲しかったんだぁ。今その土地を治めてる魔族が凄い沢山お金を納めろって言っててねぇ。僕が治めて、やめさせようと思ってるんだぁ。その魔族、特級魔族だから僕も逆らえなかったしぃ。」
なんか、いい話じゃないか?
ようは親のためでしょう?
「親孝行だね。」
ボクはニコリと笑ってそう言った。
今はそんな子供少ないよ?
孤独死とかニュースで見るもん。
するとフェイは何故か慌てたように首を左右に振った。
「ううん。あのねぇ、僕これでも昔は荒れてたんだよぉ。だから、そろそろ何かと思ってねぇ。」
荒れてるフェイ、想像出来ない。
荒れたってどのレベル?
盗んだバイクで走り出して、学校の窓ガラス割っちゃうくらい?
それとも色とか染めるレベル?
だめだ。
全然想像出来ない。
想像は得意分野なのに。