魔王様はボク

部屋に入ると、偉い凜音は勉強していた。
模試だもんね。

凜音の机にそっとプリンとスプーンを置いた。

気づかれないように置いたつもりだったけど、忍者ではないボクの行動はバレていた。


「ありがとう。」


そう言って微笑んだ凜音はやっぱり可愛い。
本当にボクと同じ顔なんだろうか。
鏡で見ると同じ顔だけど、実はボクの顔は仮面とか。
うーん、我ながらグロい想像だ。

ボクも自分の机に座ってプリンの蓋を剥がした。

普通のカラメルプリンだ。
個人的には焼プリンの方が好きだが、ミルクプリンも杏仁プリンも好きだ。
…あれ。
もしかして好きじゃなくて嫌いなものがないだけ?

プリンを食べつつ、宿題を出した。

授業用のノートを開いてみる。
うん。
居眠りしてたとこの文字が読めない。
筆記体が酷くなった文字。
いわゆるミミズがのたくったような字。

諦めよう。
分からないし。

宿題を片付けた。
やるじゃなくてしまう方。

その間およそ三分。
カップラーメンが出来るくらいかな。

プリンも食べた。
宿題は諦めた。

よし。

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