君に、会いたくなった
#1

一目惚れ

 私の名前は高松美菜(タカマツ ミナ)。この学校に入学してちょうど1ヶ月は経つかな。

だから、通学もこのクラスの雰囲気にもだいぶ慣れてきた。



「みーなちゃーん♪」

「あ、雪乃おはよー!」

 この子は、藤井 雪乃(フジイ ユキノ)。中学からの友達。

 ふわふわに巻いた栗色の髪と、のんびりした性格が一緒にいてとても居心地がいい。



「ね、ね!今日、隼人先輩に話しかけられちゃった!!」

 雪乃は、入学式のとき3年のに山瀬 隼人(ヤマセ ハヤト)先輩に一目惚れしたらしい。

 私は年上には興味ない。

 もちろん、年下も。


「よかったね。」

「あれ、どうしたの?何かあった??」

「べーつにー?」

 私は、この高校に入って叶えたい夢があった。

 それは、


“彼氏を作ること”


 クラスの男子と仲良くなって、いつしか両思いになって、付き合う。

 そんなありがちな恋愛をしたいとずっと思ってた。


「だからさぁ、そういうことだから今日一緒に帰れないんだよねー!!」


 え…はぁ!?


「ちょっと、それどーいうこと!?」

「聞いてなかったの?だからぁ、一緒に帰ることになったのー。」

「聞いてないし…てか、なんでそうなったのよ!」


 キーンコーンカーンコーン…


 げ…タイミング悪っ


「あっ、次移動だよ?本鈴なる前に行こー♪」

「うーん…」


 別に、雪乃が誰と付き合おうと正直どうでもよかった。

 私には関係ないと思ってたし…

 でも、これがきっかけで年上に恋をするなんて思わなかった。

 雪乃も、私も………

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