君に、会いたくなった
 知ってるわけないじゃん。

 教えてくれなかったんだから。


『美菜ちゃん、諦めるの?』


「んー、どうかな。ってか一目惚れもなんかの間違いで好きじゃなかったのかもしれないしー。」


『そっか…』


 雪乃のさっきまでの明るさが無くなった。

 どーしたんだろ?


「そーいえばさ!雪乃、隼人先輩とはどーだったのさ!!」

『なーんにもー。ただ送ってもらっただけ…』


 シュンとした言い方がやけに可愛く聞こえた。


 恋する女の子だなぁ


『そろそろ切るねー』


「あ、うん!」

 
 部屋の時計を見るともう7時になるところだった。


「ばいばーい。」

『ばいばい。』


 こんなに話してたんだ…



「美菜ー!!ごはんできてるわよー!」


 下からお母さんの声が聞こえた。


「はーい。」

 
そう言って私は部屋着に着替え、部屋を出た。




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