君に、会いたくなった

雨宿り

 6月。完全に梅雨の時期に突入した。

 今日も大量の雨が降って女の子の私にとってはとても嬉しくない…


 あれから海先輩とは変わらず、たまに一緒に帰ったり、隼人先輩と雪乃と4人で昼食を食べたりした。


 とにかく、4人で過ごす時間が増えてきた。これで、海先輩も一花先輩の事忘れていって、そのまま私の事好きになればいいのに。なんて、思ったりもする。


「今日も雨かー。やだな、髪がゴワゴワになっちゃう…!」



「おーい雪乃!美菜!!行くぞー!」


 隼人先輩は私達の事チャン付けはやめたみたい。雪乃も隼人先輩の事は「隼人」って。呼び捨てだって。


 私は変わらず先輩付け&敬語。





「今日は屋上使えなくない?何処で食べるの?」


「あ、そっか。じゃあ屋上の階段で食べよ。」


「「「えー!!」」」


 まさかの3人ハモるっていうね…。


「あ、わり。電話だわ。」



 最近の海先輩はよく電話で席を外す。前に隼人先輩から聞いた。

 たしか、一花先輩が彼氏と別れそうで海先輩に相談してるって。

 海先輩、嬉しいだろうな。私も海先輩が一花先輩の事好きじゃなくなったら嬉しいもん。



「…うん。分かった。うん、うん。じゃあ」



「どうかしたのか?」


 隼人先輩はパンを加えながらそう言った。


「あぁ、わり、ちょっと用あるから今日一緒に食えない。」


 海先輩は昼食の入った袋を持って何処かへ行ってしまった。
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