ありのまま、愛すること。

私たち夫婦の子育て術

妻が長男を妊娠したことがわかってから、8カ月あまりをかけて、私は生まれてくる子どものために言葉をしたためていました。

結婚して2年あまり、やっと子どもができた喜びを軸に、生まれてくる子がこれから生きていくための“行動の指針”になるような言葉を集めておき、長男が誕生した日の日記に「父と子の約束事5カ条」として記したのです。



「自分だけの大いなる人生を、勇気と希望と誇りを持ち、力強く歩き続けなさい」

この前文はすぐにできたのですが、難しかったのは5か条でした。

何度も書き直して、最後にできた完成形が、次のものです。


一.約束を守れ、嘘はつくな
一.愚痴、陰口を言うな
一.笑顔で元気よく挨拶せよ
一.他人の喜び、悲しみを共有せよ
一.正しいと思い、決めたことは、諦めずに最後までやり遂げよ


この約束事を私は、息子が幼いころから守らせていくことにしたのです。

そして、それを子どもに伝えるためには、親が自らに問うていなければいけないことがあると、私は考えました。


─夢を持っているか
─誠実な生き方をしているか
─自分の弱い心に負けていないか
─嘘をつかず、愚痴を言っていないか
─他人の喜びや悲しみを自分のものにできているか
─損得でなく、善悪で今日一日を判断したか


これらを、子どもを持つ親は、自分がまずは実践すべきです。

実は、これをすべて完璧に実践するのは容易なことではないかもしれません。

それでも、愛する子どものためにと思えば、つねにこれを心がけ、実践できるはずです。

親と子が、ともに成長できるのも幸せなことなのだと、私は思いました。

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