ありのまま、愛すること。
次に、医療団を持つ子どもの家を訪問しました。

お父さんお母さん、そして末の妹もエイズで亡くし、今は下の妹と二人、おばあさんに育ててもらっています。

彼らの仕事は水汲みです。前に妹、後ろにお兄さん。

水瓶のぶらさがった木の棒を二人で担ぎます。

お兄さんのほうに負担がかかるように、少し重心を後ろに下げて担ぎます。

そのお兄さん、小学校4年生の12歳の男の子が、数年前から激しい頭痛に襲われていると言います。

顔を覗き込むと、素人の私にさえ彼の体の異変に気がつきます。

もう1軒訪問しました。小学校2年生、かわいい13歳の女の子です。

7歳のころに3時間高熱が続き、意識が回復したあとに、左半身が不随となりました。その姿は言葉にならないほど痛々しいものでした。

その他、コブラに咬まれ、足の骨が露出し、傷口の肉が腐り、足の神経が麻痺してしまった子。

頭蓋骨骨折で脳みそが露出している子。ナイフが目の横に刺さり失明した子。

一軒一軒の家々を回るうちに、また、どうしようもない「無力感」が私の心を蝕みます。


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