ありのまま、愛すること。
このうちの羊になった者が永遠の命を与えられ、神様に従った地球をもう一度、造り直すというのが、聖書の壮大なるストーリーなのです。

彼はそれを力説し、

「美樹が聖書を学ばなければ、山羊になって死んでしまうよ。するとお母さんはひとり蘇ったとき、とっても寂しがるよ」

正反対のシナリオも彼は用意したというわけです。

「逆にね、お母さんが山羊になりそうだったら、生きている美樹は、お母さんを羊にしなければいけない。そうすると、お母さんと二人して、永遠の命を神からいただけるんだよ」

これは私にとって殺し文句だった、いや、“生かし”文句とでも言うのでしょうか。

この出来事により、私の中学生時代になすべきことは決まったのです。
その日から聖書の勉強を始め、本を読み漁る日々が始まりました。

< 55 / 215 >

この作品をシェア

pagetop