IYOU
それから他愛もない会話をしながら1日を過ごした。
───で、いよいよ放課後。
放課後は毎日拓と帰ってるから、拓があたしの教室まで迎えに来てくれる。
「美夏」
と考えていたらドアに右手をかけてあたしを呼ぶ拓の姿。
早っ!!!
「はーい」
あたしは急いで帰る支度をする。その横で花梨が小声で何かを言っている。
(美夏、ちゃんと聞くんだよ!頑張れ)
あたしはそれに答えるように花梨に笑ってみせた。
すると花梨は頬を少し赤く染めてうつむいた。
?
花梨?
「か、「美夏」
不思議に思って声をかけようとしたけど、拓によって遮られた。
「あ、ごめん」
あたしは仕方なしに立ち上がる。
そして、
「花梨、バイバーイ」
「うん、バイバーイ」
花梨に手を振って教室を出る。