君は太陽
真ん中に大きな桜の木の写真がプリントされていて、観光客が桜の木に見入っている様子がわかる。
「綺麗なんだろうな…。」
淡いピンク色
桜だけが持つ人間や動物たちを
引き付ける暖かな空気…
きっとみんな、癒しを求めて
新しい季節のはじまりにこうして
桜を見に来る…
だけど…
「ねっ!絶対綺麗だよ。二人で電車に乗ってさ、…ん~楽しそうっ」
「そう…だね…」
こんなパンフレットまで作っている
ほどのこの桜の木、
もちろん綺麗なんだろうし
見に行きたい…
でもその代わり、観光客も沢山いる…
優輝くんとはこうして普通に会話が
できる。
だけどそれは優輝くんだけ…
人が怖い…
それを考えると、行きたくはない…
私は楽しそうにパンフレットを
見る優輝くんを見た。