虹色クレヨン
「ねぇ、さっきのどういうこと?」
先を歩く翔に問いかける。
「………」
応答なし。
再度聞く。
「どういう意味なの?」
「………」
また応答なし。
「ねぇ!聞いてるの?」
翔の顔を覗き込む。
翔の顔は茹でたタコみたいに真っ赤になっていた。
「うわっ!ちょ、見るな!」
「どうしたの?茹でダコみたいな顔して。」
「……奏のせいだからな!」
「えっ、あたし何かした?」
「翔くーん?奏起きたー?」
下の方からお母さんの声がした。
「ほら、行くぞ。みんな待ってる。」
「えっ、でも………」
「また後で話したいことがある。」
そう言い残し、翔はみんなのところに行った。