虹色クレヨン
あたしたちが隠れている暗い洗面所に微妙に沈黙がはしる。
あたしは沈黙を破ろうと翔に話かけようとした。
が、先に翔が話しかけてきた。
「なぁ、奏。今好きな奴とかいる?」
「…………………へっ?」
「いるの?」
「………いるよ。」
それは"あなた"だよ。
あたしは聞いてみた。
「翔は?いるの?」
「……いる…かな。」
えっ……
そりゃ、好きな子ぐらいいるよね。
中学生だし。
「誰?教えて!学校違うんだし言っても誰か分かんないじゃん。」
「えーいうの?恥ずかしいなぁ。」
「教えてよ。イニシャルだけでいいからさぁ。」