死せる前に君を斬る
「それでは失礼致します。」
無理やりアサーラの手を掴み
ひきずると男はその場を後にした。
「やめろ!離せ!」
長く続く階段を男の手に引かれながら登っていく
アサーラの抵抗の声が響いた。
「お静かに」
丁寧な言葉とは裏腹に男の手は乱暴にアサ―ラの手を掴む。
「お願いだから離して!」
「分かりました」
そう言うと男はアサ―ラの手を離した。
突然離された手で体はふらつき、危うく階下へおちるところであった。
アサ―ラに睨まれた男は、笑いながら肩をすくめた。