愛し方を忘レた僕等
イケニエ
空は綺麗なオレンジ色。
部活をしてないあたしはすぐにいつものように帰ろうとする。
「リホ!また明日ね~」
「ばいばい!楽しんできて~」
アイはこれから弘と放課後デートだ。
恋愛できるって羨ましい。
「リホ、俺らも帰ろうぜっ」
「別にカイチと帰らないし!しかも毎日カイチがついてくるじゃん!」
「あ?俺をストーカー扱いかよ!一緒に帰ってやってんのに!」
「だーかーら!頼んでないし!」
毎日この繰り返し。
でも少しだけ楽しかったり。
・・・・・・。
チラッ
あたしは男子数名と女子数名に囲まれた、レイトを見た。
皆楽しそうに騒いで帰る気配を見せない。
・・・ってなんであたしがアイツを見なきゃいけないの。
カイチに話かけられながらそそくさ教室を出た。
あたしとカイチが帰るところをレイトが見ていたなんて、あたしは少しも気付かなかった。