FRESH LEMONADE
“開いた口が塞がらない”

違う…

“寝耳に水”

コレも違うかな…?


とにかく!!


王子様みたいな美少年『関英嗣』のとんでもない発言に、あたしは軽くパニック状態だったりする


だって!!
よくある恋愛小説や少女漫画では、絶対にありえない発言でしょ?







「次さー、アンタじゃない?」


茫然自失なあたしに、いきなり後ろを振り向いた『関英嗣』が声をかけてきた




次……?




――あっ!!

自己紹介しなきゃ!!




あたしは慌てて立ちあがった

そうだ、今は自己紹介の時間だった。

『関英嗣』の下ネタに動揺してる場合じゃない!!



「えっと…港南中出身、瀬戸内梨菜(セトウチ・リナ)です。中学では生徒会をやっていて…」

「好きな男のタイプは?」

「タイプ?んー…とりあえず背はあたしより高い方が……


…って、何言わせんのよ!!」





ヤバイ……


『関英嗣』が変なタイミングで質問してくるから
ノリ突っ込みみたいになっちゃったじゃない



「瀬戸内サン、案外お笑いイケんじゃん!!」




言いながら『関英嗣』がニタニタしてるのが分かった



ったく…
誰のせいでこんな……っ!!



さっきまで、目立ち過ぎる容姿を持つ彼に同情してた…

きっと今までも、その端正な容姿ゆえに、いらない苦労とかしてきたのかなって思った…



けど……



どーやら彼はこんな性格だし、苦労なんて皆無な気がしてきた…


てか!!
同情なんか、するんじゃなかった!!



「英嗣ー、瀬戸内サンあんま困らすなよ(笑)?」



あたしがそんなことを考えてたら、今度は後ろから声がした…


しかも無駄に親しげに“英嗣”とか呼び捨て…





恐る恐る声のする方に視線をやると…



華奢な『関英嗣』とは違って、やけにガタイがよくて、何故だかドレッドヘアーの、明らかに高校生っぽくないお兄さんがいた…



そーいえばこの人、入学式ではサングラスかけてたっけ…
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