starry night
イリヤの口元に安全ピン(ピアスらしいけれど)が刺さったのは
もう随分と昔だった。
その日、イリヤのほっぺはひどく腫れていて、口元は切れてひどく紅い血が滲んでいた。
イリヤは、ハーフだった。
肌が白い、目がグレーがかっている
ただそれだけの理由で
名前も名乗らないヘドロのような奴らに殴られたのだ。
「僕がハーフな事を誰よりも気に入らないのは、この僕だ。」
イリヤはそう言った数時間後に、口元に安全ピンを自ら刺した。