黒蝶【完】


「無理。一人で帰るから」

また冷たく返して、席を立ち上がろうとした時だった。


「ねえ野田さん。本当は寂しいんでしょ?」


その言葉に、一瞬耳を疑った。


この子、何言ってるの…?


「私には分かるよ。いつも平気そうな顔してるけど、本当は寂しいんでしょ?だから、一緒に帰らない?」


真剣な表情で彼女はそう言った。


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