黒蝶【完】


「嘘だよ!だって…」


そう言って彼女は私の手を握った。


「だって、野田さんの手………こんなに温かいもん」


自慢じゃないけど私の平熱は36.5度。


割と高い方だ。


「ねえ知ってる?」


私はわざとばかにしたような表情で彼女を見た。


「手が温かい人は、心が冷たいんだよ」


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