愛love it now
1章 出会い
「あーつーい゛ー!」
さっきから隣で鬱陶しい
友だちの成実。
手でパタパタ仰いで暑さを和らげようとしている。
「もう、成美。
いい加減鬱陶しいんだけど」
確かに暑い。
背中がムシムシしてかゆい。
セミの鳴き声が私の苛々を増加させる今年の夏。
「だぁって、あり得なくない?
この時期にクーラーが故障なんてさぁ。
乃愛暑くないの?」
暑い。暑いに決まってる
ひょいっと視線を上にあげてもクーラーは動いてない。
それを見てまた現実に突き落とされたように暑さが倍増する。
前を見れば教壇に立ってるハゲの先生が汗を拭きながら、
一生懸命授業をしている。
この暑さの中で、誰1人と授業を聞いてる奴なんかいない。
みんな机にうなだれている。
もちろん隣にいる成美も。