山荒の鳴く夜
第四夜
人外を取り逃がしたまま、椿は帰路に着く。
…平助とは、言葉もなくその場で別れた。
無言で去っていく背中に声をかけようと思ったが、それも憚られるほどに彼は殺気立っていた。
袂を分かったとはいえ、やはり壬生の狼。
新撰組八番隊組長と呼ばれた男は、孤狼としての矜持を湛えたままのようだった。
…平助とは、言葉もなくその場で別れた。
無言で去っていく背中に声をかけようと思ったが、それも憚られるほどに彼は殺気立っていた。
袂を分かったとはいえ、やはり壬生の狼。
新撰組八番隊組長と呼ばれた男は、孤狼としての矜持を湛えたままのようだった。