山荒の鳴く夜
刺突ならば『点』の動きだ。

斬撃のような『線』の動きと違い、被弾箇所も少なく済む。

「勝負!」

平助は、新撰組三番隊組長・斎藤 一もかくやという突進でシイに迫る!

即座に毛針で反撃するシイ。

「っ…!」

鋭い毛針が平助の肩に、腕に突き刺さる!

脳天まで突き抜けるような激痛。

呻き声さえ上げなかったのは、戦場に立つ者としての覚悟ゆえか。

それ以上に、毛針でさえも壬生狼の足を止める事はできない。

勢いを殺さぬまま、平助の愛刀はシイを捉える!

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