真っ赤な果実
「あたし、彼氏できた。」
友里が唐突に話し出す。
「えッ!?ホント??
優哉??」
久しぶりに聞いたその名前に、友里がすこし動揺した。
「違うよ…。
もっと好きな人できたの…。」
「そうなの?!
先に言ってよ~!!」
えりの笑う顔に友里は安心していた。
軽蔑される事を心配していたのだ。
「実はね…。」
友里は、大和先輩の過去をのぞいて、優哉と帰る約束をしていた日からの事をえりに話した。