真っ赤な果実
果たされなかった約束
「大丈夫だ、友里
落ち着け。
たった一言なんだから。」
友里は職員室前のろうかでうろうろしながら、イメトレをしていた。
えり情報で今日は野球部の部練がないことを知った友里は、久しぶりに優哉と帰りたかった。
しかし、優哉は昼休み職員室に提出物を出しに行っていた。
なので友里は優哉が職員室から出てきたら、一緒に教室へ戻りながら誘うつもりで待っていた。
「今日部活休み?」
「一緒に帰らない?」
「用事とかある?」
「新しいアイス屋さんいかない?」
「クレープもいいよね」
「また来ようね」
「あぁぁぁああああ!!
一言とかいいつつデートみたいになってるよ!
ゆ、ゅゅゅぅゃと…
で、でででーとなんて…///」
友里は一人でパニック状態になっていた…。