真っ赤な果実

記憶、そして願い




「友里。ちょっといい?」


朝起きると、おばぁちゃんが真剣な顔で言った。


今日は土曜日。
いつもの様にすごすはずだった。



「大事な話だから…。
よく聞いてね?」


「……うん。」








友里の祖母は、少し伏せ目がちのまま、言いたい事をひとことで片づけた。


「友里。
七瀬に、いきなさい。」

「嘘…。」

「ウソにきこえる?」



友里は、大粒の涙を流しながら首を横に振った。



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