真っ赤な果実



「あたし、小さかったけど、あの一週間だけは覚えてる…。


大きくなるにつれて…。
どんどん意味が分かっていくのが怖かった…。


おばぁちゃんまで、あたしのことおいてっちゃうの??」



友里の頬をつたった涙は、床にぽたぽたと雨のように降り注ぐ。



「友里、おばぁちゃんはもう先が…」
「言わないで!!」


友里が声をあらげる。


「言わないでよ…。
そんなこと……ッ。

おねがい…。

置いていかないで…。
捨てないで…。」



祖母、夏子は友里とあの時の友輝が重なった。


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