真っ赤な果実



心ここに在らずの様な状態で棒立ちしている友里。

友輝が声をかける。


「友里!!何それ?」


「おばぁちゃんに、手紙。」


「そっか…。」




―ヒラッ―

手紙を花と一緒に棺桶にいれる友里。



「ちゃんと読んでね。」





梅雨の時期にはめずらしく、今日は快晴。

青空に立ち上る白煙は、友里に優しく微笑んで見えた。



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