真っ赤な果実



月曜日、部活に出ようとすると、俺のロッカーがめちゃくちゃだった。


火曜日、練習試合中に異常なファールを幾度とうけた。


水曜日、キーパーの中に入っていた氷水を掛けられた。


木曜日、熊田先輩に呼び出されて無意味な暴力をふるわれた。



別に、嫌がらせに耐えられなくなったからじゃない。

ほとんどが地味で耐えようと思えばできるし、容易にやり返すこともできた。



でも、アイツらに関わる事はごめんだった。


汚ねぇ……。
汚ねぇ…。


俺の心は荒んでいった。



だから、金曜日にやめてやった。

特に後悔はない。



1つ、あるとすれば…。


「友輝さん…。」

あなたともっと話したかった。


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