真っ赤な果実
友里は大和をジッと見ながら呟いた。
「想像を裏切りませんね…。」
「え??」
「ミルクも、シロップも入れない…。
大和先輩はブラックがよくお似合いです。」
大和は持っていたコップを、目線の高さまであげて、振ってみた。
氷がコップにあたり、カラカラと涼しげな音をたてる。
それを見ながら友里に問う。
「いい意味?悪い意味?」
友里は小さな声で笑った。
「どーでしょう?」
「なんだとコラ?」
大和は笑いながらコップを乱暴に置いた。
それで友里はさらに笑っていた。
大和も声を出して笑っていた。
しばらくして、大和が急に真剣な顔になった。