真っ赤な果実
「先輩??どうしたんですか??」
大和は自分の足元をみながら気まずそうに話した。
「自分から過去の話きいて欲しいとか言っといて、あれなんだけどさ…。
それより聞いてほしい事思い出したんだ。
あの、それで…。」
「いいですよ。」
大和は顔をあげる。
「今、大和先輩が一番聞いてほしい方を聞きますよ。
でも過去の話、また今度話してくださいよ?
気になってしまいましたから…。」
そういって友里が微笑んだ。
その言葉をきいて、大和はゆっくり深呼吸をした。
大和は、あの日言い損ねた想いを伝えるつもりだった。