ハツコイ

ハァハァ、と息を切らし、あたしは教室に駆け込んだ。


「わっ!!
ナナどうしたの!?」


慌てて駆け込んできたあたしに驚くミキ。




「…っ。なんでも、ない」


息切れのせいで途切れ途切れにしか、答えることが出来なかった。



ううん。

答えられなかっただけ。



ッドクン、ドクン…


うるさいくらい、
鳴り響いている心臓。


胸を締めつけるこの気持ちが『何か』なんて、あたしはまだ、知らなかったんだ。


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