ハツコイ
「素直でよろしい!!」
そう言って、あたしの頭をクシャクシャする桃ちゃんを見上げると、やっぱり笑顔だった。
「可愛い妹の為に
姉が一肌脱いでやりますかっ」
「ねーねー、桃ちゃん。」
「ん?どした?」
「今日初めて喋ったのに、
もう好きとか変?」
あたしは、まだ戸惑いがあった。自分の気持ちに気付いたとはいえ、啓太先輩と会ったのは今日が二回目。
「変じゃないよ。
初めて喋ったのに、ナナが好きになる何かが
啓太にはあるんじゃない?」