プリン・ア・ラ・モード
―――あの人は。
―――あの人は。
―――私の。
―――とても大切な。
―――あれ、でも。
―――死んじゃったんじゃなかったっけ。
―――あ、そっか。
―――きっと私も死んじゃったんだね。
―――きっと私のために迎えに来てくれたんだね。
―――きっと私が方向音痴なの覚えていてくれたんだね。
―――え?
―――え、何で?
―――迎えに来てくれたんじゃないの?
―――そうでしょ?
―――何で置いていくの?
―――一緒に連れて行ってよ。
―――私、あなたのこと待っていたんだよ。
―――ねぇ、その人、誰?