プリン・ア・ラ・モード
―――そう、あなたの隣にいる。

―――すごく綺麗な女の人。

―――不倫?


―――不倫じゃないよね。

―――だってあなた。

―――もう私のこと好きじゃないんでしょ?

―――だから女の人をエスコートしてるんでしょ?


―――懐かしいね。覚えてる?
―――ちょっと前、あなたと女の人が肩を組んで歩いているのを私がみた時。

―――「コイツ、俺の親友。罰ゲームで女装中」
―――そう言ったよね。

―――後から教えてくれた話では、ヤキモチやいてほしかった。って言ってたね。


―――でも、その人は。
―――正真正銘女の人だよね。
―――私が待っている間にあなたの好みが変わったんだね。

―――私みたいな幼児体形よりオトナの女の人が好きになったんでしょ。

―――分かった。
―――その人と幸せになってね。

―――もう私が話しかけても返事すらしてくれないみたいだし。

―――結婚式には呼んでね。
―――あなたの昔のこと暴露してあげるから。

―――私、重い空気は苦手なんだ、知ってるでしょ。
―――だから。

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