1ミリのキセキ
家に連れ戻されると思ったけど
窓から見えるのは全然知らない景色で…。


そこで私は気づいた。


ああ…誘拐されたんだって。


まあ…アレだけの車に追いかけられてたんだから
赤の他人でも私たちを捜すなんて簡単だったし。


誘拐したのは3人の男だった。


可笑しいかもしれないけど
誘拐犯の割にはそこまで悪い人たちじゃなかった。


私たちを絶対に殺さないって約束してくれた。


身の代金は五百万。


聞くと愛華の家の会社のせいで
自分たちの会社が五百万の借金を抱える羽目になったんだって。


愛華の両親は世間体を気にしたのか、
本気で救おうとしたのか分からなかったけど
五百万を払うことに同意したわ。


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