1ミリのキセキ
でも、敷地の外には出してもらえたことがなかった。


風邪をひいたら専属の医者が看病して
習い事も全部先生を家に呼んで
学校も通わせてもらえなくて家庭教師を雇ってた。


私のお母さんは愛華の家の家政婦で
私と同い年だからって理由で愛華の相手をするように言われてたの。


だから、愛華とは昔からずっと一緒。
幼なじみみたいなものね。


愛華は大きくなるにつれて塀の外の世界が見たくなった。


愛華は両親にお願いしたけど
許可がおりるわけがなかった。


私は中2の頃からベースをやってたから…
愛華もやりたいって言い出したんだけど
弦が太いから…私はギターを勧めたの。


愛華はほしい物は大抵買ってもらえるんだけど…やっぱりギターはだめだった。


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