待ち合せ
今日からは。
俺と彼女のいつもの待ち合わせ場所。

それは昨日まで駅の改札前の時計台だった。


同じ駅から反対方向の大学に通う俺たちは、よくその場所で待ち合わせをした。

デートの時だって、大学の帰りだって…。



でも、今日は駅から彼女の家までをつなぐバスの中。



***



ブロロロ…。

バスが、アイドリングストップをやめて駅のバスターミナルから出発しようとエンジンをかける。


『…来ないのか?』
俺は、バスの後ろの入口から一番近い二人掛け椅子の近くのポールに掴まり、彼女を待っていた。


半分諦めていた時、


「すいません、乗ります。」

乗ってきた。

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