待ち合せ
「発車いたします。」

ピーという機械音の後に、ドアが閉まる。


「ねぇ…。もうすぐ付き合って3年だね。」

『そうだな。』

「最初、浩幸の事が気になるのになかなか話せなくっていつも遠くから浩幸を見つめる毎日だったなぁ」

『なんだよ、急に』


照れくさい話は苦手だけど、里香とこの手の話は
心に何かあったかいものが出てくる。

『俺だって女子って怖いもんだと思ってた。』

「浩幸は人気者だし、周りにはいつも友達がいてさ、もちろん女のも。」

『おい、それはお前も一緒。』


ふっと彼女に笑いかける。


相変わらずこっちを見ない。
バーカ。何のためにこのバス乗ったと思ってんだ。


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