待ち合せ
バスが、時計台のそばを通過する。

「ここさ、いつの間にかいつもの場所になってたよね」

『俺らどっちもこの駅から大学までいってたもんな。反対方向だけど。』



もうすぐクリスマスという事もあって
時計と木々はイルミネーションで明るくチカチカしている。


デートの待ち合わせによく遅れる俺。
よく里香が「また遅刻-?」って笑っていたよな。

雪が降ったら年がいもなく手のひらサイズの雪だるま作って
俺を寒い中待っていた。


今日も、そこには雪だるまがあった。
いつもより少し大きめの。


「あれも昨日私が作ったんだよ。」

『やっぱりな。』

「昨日、待ち合わせ来なかったね。」

『……。』


だからいつもより大きい雪だるまが出来ちゃったのか。
俺がたくさん待たせたから。
それでも怒らずにいてくれる里香。


「あー、あそこのお店でチキン買って二人でクリスマスパーティやったねえ!」


里香の見つめる先にはファーストフードの店。




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