待ち合せ
「…でも浩幸…。」

『ん?』

「今は…さみしい。何で置いて行っちゃったの?」


ああ…そっか、今日は時計台でお前を待たずに先にバス乗ってたもんな。

『悪い悪い。』

「もしかしたら浩幸が来るかもって思って
今日もいつも通り、待ってたんだよ?」


『里香…?』

彼女の頭を撫でる。
けれど、こっちを見てくれない。怒ってる?


「昨日だって待ってたんだよ。なのに全然来なくって…」


やっぱり怒らないわけないか。
雪だるまが大きくなるまでたくさん寒い中待たせたんだもんな。



…―。

その頃どこに居たっけ?



「諦めて帰ろうとしたら電話が鳴ったから
浩幸かなって思ってたら、浩幸のお姉ちゃんからでさ…。」


記憶をたどる。

何で姉ちゃんが出てくんの?



俺はその頃…。

そうだ!確か時計台に向かってたはず。


あれ、でも何で里香と昨日会わなかったんだ?


おかしいぞ?
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