午睡は香を纏いて
「あれ? カサネちゃん、どうしたの?」
家の裏にある鶏舎に行くと、アイスがいた。
アイスは十一歳になるフーダの息子だ。
本当は三人兄弟だったけれど、兄二人は父親と共にリレトの放った神武団によって殺されたのだそうだ。
父親譲りだという赤毛は少し癖があって、日に焼けた肌にはそばかすが浮いている。利発そうな茶色い瞳をした、かわいらしい子だ。
あたしのことをお姉ちゃんのように慕ってくれている。
「フーダに卵を採ってきてって言われたんだけど、アイスの方が早かったね」
「そうだね。今日は六個あったよ、はい」
小さな籠に盛られた卵を受け取る。
見れば鶏舎の中は既に掃除が終えられていた。
「あ。あたしがやるつもりだったのに」
家の裏にある鶏舎に行くと、アイスがいた。
アイスは十一歳になるフーダの息子だ。
本当は三人兄弟だったけれど、兄二人は父親と共にリレトの放った神武団によって殺されたのだそうだ。
父親譲りだという赤毛は少し癖があって、日に焼けた肌にはそばかすが浮いている。利発そうな茶色い瞳をした、かわいらしい子だ。
あたしのことをお姉ちゃんのように慕ってくれている。
「フーダに卵を採ってきてって言われたんだけど、アイスの方が早かったね」
「そうだね。今日は六個あったよ、はい」
小さな籠に盛られた卵を受け取る。
見れば鶏舎の中は既に掃除が終えられていた。
「あ。あたしがやるつもりだったのに」